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ゲージ用定規ができるまで。| ものづくりの記録

ゲージ用定規ができるまで。| ものづくりの記録

「こんなのがあったらいいのに。」 振り返ると、HELLO, HYGGE LIFEのものづくりは、いつもそんな小さな「あったらいいな」から始まっています。 ただ、自分が毎日編み物をしていて、本当に欲しいと思ったもの。それを形にできたらいいな。そんな気持ちから始まりました。   ⸻ このゲージ定規の原型に出会ったのは、デンマークへ留学していた頃です。 友人が雑貨屋さんで見つけた、小さな定規。 ぱっと見は普通の定規なのに、両端に小さな出っ張りがあります。 何気なく使い始めたその定規は、気づけばいつも編み物バッグの中に入っていました。 ゲージを測るとき、どこからどこまで数えればいいのか迷うことがあります。 最初の目がこれで、最後の目がここまでで・・・あれ? この小さな出っ張りがあるだけで、その迷いがすっとなくなります。 出っ張りと出っ張りの間を数えるだけ。 それだけなのに、とても気持ちがいいのです。 編み物をしている時間の、小さな迷いがひとつなくなる、そんな道具でした。   毎日のように使っているうちに、ふと思いました。 「これ、真鍮で作れたら素敵だな。」   編み針やはさみと並べたときに、自然と馴染むもの。 使うたびに、「やっぱり好きだな」と思えるもの。 そんな道具があったらいいなと思うようになりました。   もちろん、その頃の私は商品開発なんてしたことがありませんでした。 工場にお願いしたこともない。 図面なんて描いたこともない。   デザインデータ?……分からない。...

ゲージ用定規ができるまで。| ものづくりの記録

「こんなのがあったらいいのに。」 振り返ると、HELLO, HYGGE LIFEのものづくりは、いつもそんな小さな「あったらいいな」から始まっています。 ただ、自分が毎日編み物をしていて、本当に欲しいと思ったもの。それを形にできたらいいな。そんな気持ちから始まりました。   ⸻ このゲージ定規の原型に出会ったのは、デンマークへ留学していた頃です。 友人が雑貨屋さんで見つけた、小さな定規。 ぱっと見は普通の定規なのに、両端に小さな出っ張りがあります。 何気なく使い始めたその定規は、気づけばいつも編み物バッグの中に入っていました。 ゲージを測るとき、どこからどこまで数えればいいのか迷うことがあります。 最初の目がこれで、最後の目がここまでで・・・あれ? この小さな出っ張りがあるだけで、その迷いがすっとなくなります。 出っ張りと出っ張りの間を数えるだけ。 それだけなのに、とても気持ちがいいのです。 編み物をしている時間の、小さな迷いがひとつなくなる、そんな道具でした。   毎日のように使っているうちに、ふと思いました。 「これ、真鍮で作れたら素敵だな。」   編み針やはさみと並べたときに、自然と馴染むもの。 使うたびに、「やっぱり好きだな」と思えるもの。 そんな道具があったらいいなと思うようになりました。   もちろん、その頃の私は商品開発なんてしたことがありませんでした。 工場にお願いしたこともない。 図面なんて描いたこともない。   デザインデータ?……分からない。...

Ingrid Sweater|海外パターンの記録

Ingrid Sweater|海外パターンの記録

私が編み物を始めたのは、小学3年生の頃。 母に教わりながら、メリヤス編みでマフラーを編んだのが最初でした。 当時は数段編んでは放置し、思い出した頃にまた少し編んでは放置して……。 完成までに1年以上かかったので、手加減もバラバラ。太いところがあったり、硬いところがあったり。 それでも、自分の手で最後まで編み上げたことが本当に嬉しかったのを覚えています。   その後も興味はいろいろなものへ移り変わりましたが、編み物と向き合う時間の心地よさだけは、なんとなく心のどこかに残っていました。   「おばあちゃんになったら、きっと私は編み物をしているんだろうな。」 子どもながらに、そんなことを思っていたのを覚えています。   その後も時々編み物はしていましたが、いつしかすっかり離れ、気づけば何年も編み針を手に取ることはありませんでした。   そんな私が再び編み物に出会ったのが、デンマーク留学です。 夜になると、男女問わず誰かが編み物をしている。 そんな光景が、ごく自然にそこにありました。 その景色を見た瞬間、忘れていた感覚が一気によみがえりました。 「ああ、この時間が好きだったんだ。」   編み物をしていると、不思議なくらい気持ちが整います。 落ち着かないときは、つい歩き回ったり、何かを触ってしまったりすることがあります。でも編み物をしていると、そのソワソワした気持ちが編み目の中へ少しずつ溶けていくようで、気づけば温かく穏やかな気持ちになっているのです。   心地よい空間で、みんなと静かに編み物をする。 そんなヒュッゲな時間こそ、私がずっと好きだったものなのだと改めて気づきました。   その頃に出会ったのが、世界中で愛されているデザイナー PetiteKnit(プチニット)さん の Ingrid Sweaterでした。...

Ingrid Sweater|海外パターンの記録

私が編み物を始めたのは、小学3年生の頃。 母に教わりながら、メリヤス編みでマフラーを編んだのが最初でした。 当時は数段編んでは放置し、思い出した頃にまた少し編んでは放置して……。 完成までに1年以上かかったので、手加減もバラバラ。太いところがあったり、硬いところがあったり。 それでも、自分の手で最後まで編み上げたことが本当に嬉しかったのを覚えています。   その後も興味はいろいろなものへ移り変わりましたが、編み物と向き合う時間の心地よさだけは、なんとなく心のどこかに残っていました。   「おばあちゃんになったら、きっと私は編み物をしているんだろうな。」 子どもながらに、そんなことを思っていたのを覚えています。   その後も時々編み物はしていましたが、いつしかすっかり離れ、気づけば何年も編み針を手に取ることはありませんでした。   そんな私が再び編み物に出会ったのが、デンマーク留学です。 夜になると、男女問わず誰かが編み物をしている。 そんな光景が、ごく自然にそこにありました。 その景色を見た瞬間、忘れていた感覚が一気によみがえりました。 「ああ、この時間が好きだったんだ。」   編み物をしていると、不思議なくらい気持ちが整います。 落ち着かないときは、つい歩き回ったり、何かを触ってしまったりすることがあります。でも編み物をしていると、そのソワソワした気持ちが編み目の中へ少しずつ溶けていくようで、気づけば温かく穏やかな気持ちになっているのです。   心地よい空間で、みんなと静かに編み物をする。 そんなヒュッゲな時間こそ、私がずっと好きだったものなのだと改めて気づきました。   その頃に出会ったのが、世界中で愛されているデザイナー PetiteKnit(プチニット)さん の Ingrid Sweaterでした。...

紡いだ糸で、猫への贈りもの

紡いだ糸で、猫への贈りもの

編み物が大好きな私たちですが、まだまだ知らない世界がたくさんあります。 普段は、思い浮かんだ形をパターンに頼らず自由に編み進めるのが好きで、セーターを作ったり、カーディガンを作ったり・・・心のままに作品づくりに夢中になってきました。 その一方で、糸を紡いだり、植物で染めたりと、素材づくりから始まる手仕事にはなかなか挑戦する機会は無く、なんとなく時間が過ぎていきました。でも実は、ずっとずっと憧れていたのです。   そんな中、思いがけず素敵な機会が訪れました。 先日スウェーデンを旅した際、友人が通うカペラゴーデンで、羊毛を糸にする体験をさせてもらったのです。 カペラゴーデンは、テキスタイルや木工、ガーデニング、ビルディングメンテナンスなど、暮らしにまつわるデザインを学ぶ学校です。 けれど、日本で思い浮かべる「学校」とは少し違いました。 先生が一方的に教えるのではなく、自分が作りたいものを形にしていく中で、困ったことや悩みがあれば一緒に考えてくれる場所。 学生というより、一人の作り手として尊重されながら、作品作りに没頭する姿がとても印象的でした。 そして、もう一つ心に残ったのは、素材づくりからものづくりに携われることです。(だからこそ、この学校を選ぶ人も多いのだそう。) テキスタイルを学ぶ友人は、学校にある大きなくるみの木から染料を採り、自分で糸を染めていました。 羊毛も、近所のおばあちゃんが洗ってくれたものを分けてもらい、自分の手で紡いで糸にしています。 素材を知り、その素材と向き合いながら作品を作る。 その姿勢はとても自然で、そして美しく感じられました。 私たちも数日間、その学校で羊毛を紡ぐ体験をさせてもらいました。 くるくると縮れた羊毛をカーディングして、ふわふわの綿のような状態に整える。 それを少しずつ撚りながら糸にし、カセにまとめ、お湯に浸し、乾かして、最後に玉巻きをする。 一本の糸ができあがるまでには、本当にたくさんの工程があります。 でも、そのひとつひとつの工程は、不思議なくらい心が満たされる時間でした。   日本に帰ってきてからも、完成した糸を眺めながらニヤニヤ。 「この糸で何を編もうかな」と考える時間も、幸せなひとときでした。   市販の糸よりもひつじの香りがしっかり残っていたからでしょうか。 猫たちが興味津々。 気付けば隙を見ては糸に顔をすりすりしています。 そんな姿を見て、「そうだ、この糸で猫たちのまくらを作ろう」と決めました。    ...

紡いだ糸で、猫への贈りもの

編み物が大好きな私たちですが、まだまだ知らない世界がたくさんあります。 普段は、思い浮かんだ形をパターンに頼らず自由に編み進めるのが好きで、セーターを作ったり、カーディガンを作ったり・・・心のままに作品づくりに夢中になってきました。 その一方で、糸を紡いだり、植物で染めたりと、素材づくりから始まる手仕事にはなかなか挑戦する機会は無く、なんとなく時間が過ぎていきました。でも実は、ずっとずっと憧れていたのです。   そんな中、思いがけず素敵な機会が訪れました。 先日スウェーデンを旅した際、友人が通うカペラゴーデンで、羊毛を糸にする体験をさせてもらったのです。 カペラゴーデンは、テキスタイルや木工、ガーデニング、ビルディングメンテナンスなど、暮らしにまつわるデザインを学ぶ学校です。 けれど、日本で思い浮かべる「学校」とは少し違いました。 先生が一方的に教えるのではなく、自分が作りたいものを形にしていく中で、困ったことや悩みがあれば一緒に考えてくれる場所。 学生というより、一人の作り手として尊重されながら、作品作りに没頭する姿がとても印象的でした。 そして、もう一つ心に残ったのは、素材づくりからものづくりに携われることです。(だからこそ、この学校を選ぶ人も多いのだそう。) テキスタイルを学ぶ友人は、学校にある大きなくるみの木から染料を採り、自分で糸を染めていました。 羊毛も、近所のおばあちゃんが洗ってくれたものを分けてもらい、自分の手で紡いで糸にしています。 素材を知り、その素材と向き合いながら作品を作る。 その姿勢はとても自然で、そして美しく感じられました。 私たちも数日間、その学校で羊毛を紡ぐ体験をさせてもらいました。 くるくると縮れた羊毛をカーディングして、ふわふわの綿のような状態に整える。 それを少しずつ撚りながら糸にし、カセにまとめ、お湯に浸し、乾かして、最後に玉巻きをする。 一本の糸ができあがるまでには、本当にたくさんの工程があります。 でも、そのひとつひとつの工程は、不思議なくらい心が満たされる時間でした。   日本に帰ってきてからも、完成した糸を眺めながらニヤニヤ。 「この糸で何を編もうかな」と考える時間も、幸せなひとときでした。   市販の糸よりもひつじの香りがしっかり残っていたからでしょうか。 猫たちが興味津々。 気付けば隙を見ては糸に顔をすりすりしています。 そんな姿を見て、「そうだ、この糸で猫たちのまくらを作ろう」と決めました。    ...

What's in my needle case? — 私のいつもの道具たち

What's in my needle case? — 私のいつもの道具たち

いつでもどこでも編み物がしたい私にとって、編み物道具は毎日の相棒です。 少し早く着いた待ち合わせの時間。電車での移動。カフェでひと息つく時間。 そんな「少しだけ編める時間」は、意外とあちこちに隠れています。 だから私は、ちょっとした外出でも「もしかしたら編めるかもしれない」と思いながら出かけています。   編める時間がどれくらいあるのかは、その日になってみないとわかりません。10分だけかもしれないし、思いがけず1時間ゆっくり編める日もあります。 そんな時に「あの道具を持ってくればよかった」と思いたくない。 だから私は、できるだけ荷物は軽くしつつも、必要な道具はいつでも使えるよう、ひとつのケースにまとめて持ち歩くようになりました。   この針ケースには、出先で困らないための"いつもの道具"がぎゅっと詰まっています。 少し編みたい日も、カフェでじっくり編みたい日も、このケースひとつあれば安心。   今回は、私が毎日持ち歩いている編み物道具をご紹介します。 これから持ち歩き用の道具を揃えたい方の参考になれば嬉しいです。     Topologie Phone Sacoche 針ケースとして使っているのは、TopologieのPhone Sacoche。 本来はスマホ用のサコッシュですが、この細長い形が編み物道具の収納に驚くほどぴったりでした。 縦に大きく開くので中身が見やすく、ポケットもたくさん。 手前の細長いファスナーポケットを見た瞬間、「これは編み物道具を入れるためのものだ」と思ってしまったほどです(笑)。 軽くてかさばらないので、毎日バッグに入れていても負担になりません。      Cocoknits Knitting Row...

What's in my needle case? — 私のいつもの道具たち

いつでもどこでも編み物がしたい私にとって、編み物道具は毎日の相棒です。 少し早く着いた待ち合わせの時間。電車での移動。カフェでひと息つく時間。 そんな「少しだけ編める時間」は、意外とあちこちに隠れています。 だから私は、ちょっとした外出でも「もしかしたら編めるかもしれない」と思いながら出かけています。   編める時間がどれくらいあるのかは、その日になってみないとわかりません。10分だけかもしれないし、思いがけず1時間ゆっくり編める日もあります。 そんな時に「あの道具を持ってくればよかった」と思いたくない。 だから私は、できるだけ荷物は軽くしつつも、必要な道具はいつでも使えるよう、ひとつのケースにまとめて持ち歩くようになりました。   この針ケースには、出先で困らないための"いつもの道具"がぎゅっと詰まっています。 少し編みたい日も、カフェでじっくり編みたい日も、このケースひとつあれば安心。   今回は、私が毎日持ち歩いている編み物道具をご紹介します。 これから持ち歩き用の道具を揃えたい方の参考になれば嬉しいです。     Topologie Phone Sacoche 針ケースとして使っているのは、TopologieのPhone Sacoche。 本来はスマホ用のサコッシュですが、この細長い形が編み物道具の収納に驚くほどぴったりでした。 縦に大きく開くので中身が見やすく、ポケットもたくさん。 手前の細長いファスナーポケットを見た瞬間、「これは編み物道具を入れるためのものだ」と思ってしまったほどです(笑)。 軽くてかさばらないので、毎日バッグに入れていても負担になりません。      Cocoknits Knitting Row...

セーターをほどいて玉にする

セーターをほどいて玉にする

  「編んで、ほどいて、また編む。 」   一度編んだものをほどいて、新しい作品へ編みなおすことは、私にとって日常。 「今度こそ」と意気込んで編み始めても、思い描いていたものとは違う形に・・・なんてこともたくさんあります。でも、そのたびに新しい発見があって、「やっぱり、やってみないとわからないなあ」と思います。 そうして一日、また一日と編み続けているうちに、気づけば時間は静かに溶けていきます。   * *   暮らしの中には、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ形にしていくことがたくさんあります。 編み物も、そのひとつです。 違うと思えばほどいて、また最初から編み直せる。 一本の糸に戻せるからこそ、お金をたくさんかけなくても、新しい挑戦を何度でも楽しめます。   ほどく瞬間は少しさみしい気持ちにもなりますが、それも編み物ならではの醍醐味。 「これで完成。」と思って編み終えた作品も、それで終わりではありません。   ほどいて、また編んで、さらに別の作品へ。   終わりだと思っていたものが、新しい始まりになる。この「やり直せる楽しさ」が、私はとても好きです。   * *   セーターをほどくときは、ほどきながらそのまま別のものを編んでしまうことも多いですが、次に編むものが決まっていないときはきれいに玉に戻します。 少し時間のかかる作業ですが、不思議と嫌いではありません。むしろ、瞑想をしているような感覚で、時々無性にやりたくなります。 頭の中がもやもやしているときに大掃除をしたくなる、あの感覚に少し似ているかもしれません。  ...

セーターをほどいて玉にする

  「編んで、ほどいて、また編む。 」   一度編んだものをほどいて、新しい作品へ編みなおすことは、私にとって日常。 「今度こそ」と意気込んで編み始めても、思い描いていたものとは違う形に・・・なんてこともたくさんあります。でも、そのたびに新しい発見があって、「やっぱり、やってみないとわからないなあ」と思います。 そうして一日、また一日と編み続けているうちに、気づけば時間は静かに溶けていきます。   * *   暮らしの中には、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ形にしていくことがたくさんあります。 編み物も、そのひとつです。 違うと思えばほどいて、また最初から編み直せる。 一本の糸に戻せるからこそ、お金をたくさんかけなくても、新しい挑戦を何度でも楽しめます。   ほどく瞬間は少しさみしい気持ちにもなりますが、それも編み物ならではの醍醐味。 「これで完成。」と思って編み終えた作品も、それで終わりではありません。   ほどいて、また編んで、さらに別の作品へ。   終わりだと思っていたものが、新しい始まりになる。この「やり直せる楽しさ」が、私はとても好きです。   * *   セーターをほどくときは、ほどきながらそのまま別のものを編んでしまうことも多いですが、次に編むものが決まっていないときはきれいに玉に戻します。 少し時間のかかる作業ですが、不思議と嫌いではありません。むしろ、瞑想をしているような感覚で、時々無性にやりたくなります。 頭の中がもやもやしているときに大掃除をしたくなる、あの感覚に少し似ているかもしれません。  ...

ゆっくり朝ごはんを食べてみる

ゆっくり朝ごはんを食べてみる

北欧をめぐる旅の途中、友人の家で数日間を過ごす機会がありました。   彼女のお家があるのはスウェーデンの島・ Öland(エーランド島) 。 エーランド島は、スウェーデンの人々がサマーハウスを持ち、夏の間を自然の中で過ごす場所として親しまれています。 彼女が暮らしていた家も、もともとは持ち主の方が夏を過ごすために所有している小さな家でした。 オレンジ色の三角屋根に白い壁、小さな煙突が付いた、まるで絵本に出てくるような佇まいです。   旅の間に見た景色はいろいろあります。 美しい街並みや歴史ある建物、どこまでも続く広大な自然。 どれも素晴らしかったのですが、今でもよく思い出すのは観光地ではなく、友人の家で過ごした何気ない朝の時間です。   鳥のさえずりで目が覚めると、窓の外にはライラックの花。 朝の光がやさしく部屋に差し込みます。   ゆっくりと目覚めると、キッチンからコーヒーの香り。 友人は朝ごはんの準備をしていて、パンを並べたり、マグカップを用意したり。 私も手伝いながら、みんなで食卓を囲みます。 窓の外を眺めながら、「今日は何をする?」「昨日は楽しかったね」とたわいもない話をする。 コーヒーを淹れて、パンを並べて、ゆっくりと朝ごはんを食べる。 特別な何かがある訳ではありません。 それでも、不思議なくらい心が満たされる時間でした。 振り返ってみると、その時間には「急ぐ理由」がありませんでした。 次の予定を気にすることもなく、スマートフォンを眺めることもなく、ただ目の前の朝ごはんと会話を楽しむ。 そんな時間がとても新鮮だったのです。 日本で暮らしていると、朝はつい効率を優先してしまいます。 起きて、支度をして、仕事に向かう。 朝ごはんも「楽しむもの」ではなく、「済ませるもの」になりがちです。  ...

ゆっくり朝ごはんを食べてみる

北欧をめぐる旅の途中、友人の家で数日間を過ごす機会がありました。   彼女のお家があるのはスウェーデンの島・ Öland(エーランド島) 。 エーランド島は、スウェーデンの人々がサマーハウスを持ち、夏の間を自然の中で過ごす場所として親しまれています。 彼女が暮らしていた家も、もともとは持ち主の方が夏を過ごすために所有している小さな家でした。 オレンジ色の三角屋根に白い壁、小さな煙突が付いた、まるで絵本に出てくるような佇まいです。   旅の間に見た景色はいろいろあります。 美しい街並みや歴史ある建物、どこまでも続く広大な自然。 どれも素晴らしかったのですが、今でもよく思い出すのは観光地ではなく、友人の家で過ごした何気ない朝の時間です。   鳥のさえずりで目が覚めると、窓の外にはライラックの花。 朝の光がやさしく部屋に差し込みます。   ゆっくりと目覚めると、キッチンからコーヒーの香り。 友人は朝ごはんの準備をしていて、パンを並べたり、マグカップを用意したり。 私も手伝いながら、みんなで食卓を囲みます。 窓の外を眺めながら、「今日は何をする?」「昨日は楽しかったね」とたわいもない話をする。 コーヒーを淹れて、パンを並べて、ゆっくりと朝ごはんを食べる。 特別な何かがある訳ではありません。 それでも、不思議なくらい心が満たされる時間でした。 振り返ってみると、その時間には「急ぐ理由」がありませんでした。 次の予定を気にすることもなく、スマートフォンを眺めることもなく、ただ目の前の朝ごはんと会話を楽しむ。 そんな時間がとても新鮮だったのです。 日本で暮らしていると、朝はつい効率を優先してしまいます。 起きて、支度をして、仕事に向かう。 朝ごはんも「楽しむもの」ではなく、「済ませるもの」になりがちです。  ...