羊毛を編む
アイスランドで、羊毛を買ってきました。
毛糸ではなく、羊毛そのまま。
北欧では最近、そんな羊毛を紡がずにそのまま編むのが
ちょっとした話題になっていると聞き、
それはやってみたい!
と、密かに狙っていました。
アイスランドで羊毛を買う
とはいえ、
羊毛って普通に売っているのかな?
どうやって編むんだろう?
何を作るんだろう?
何も分からないまま、とりあえず毛糸屋さんへ。
あるかなあ、と少し心配しながら探してみると、
ありました。
アイスランドの毛糸屋さんには、
羊毛そのままがちゃんと売っていました。笑
正確には「Kemba」と呼ばれる、
羊毛をほぐしてシート状にしたもの。
本来はフェルトにしたり、糸を紡いだりするために使われるもののようです。
購入したお店は記憶がおぼろげなので記載しませんが、
いくつかのお店でちらほら見かけたように思います。
よしよし。
ひとつ買って帰ることにしました。
開けてみる
日本に帰って、いざ開封。
中から出てきたのは、こんな感じ。

ふわふわの羊毛が、
薄いブランケットのような状態になって、何枚か重なっています。
触ってみると、とてもやわらかくて、
引っ張ると簡単にちぎれます。
さて。
ここからどうしよう。
編み方を調べてきたわけでもなく、
正しいやり方も全く分かりません。
この先は、
ただただインスピレーションのまま編むべし!
ここで、スウェーデンの学校で
手紡ぎを体験させてもらったときのことを思い出しました。
あのときの要領で、
羊毛を細く引き出していけば、
なんとなく編めるのでは……?
ということで、やってみます。笑
羊毛を、そのまま編む

羊毛を少しずつ、細く引き出して。
切れないように気をつけながら、
そのまま編んでいきます。
お!
意外と編めてる!
引き出せた羊毛の量によって、
太くなったり、細くなったり。
編み地を見ると、それがよく分かります。
最初は太くて、
そこからだんだん細くなっている。
おお。
上手になってる!
こういうのも、なんだかいいなあ。
そのまま、どんどん編み進めます。
何にしよう
しばらく編んだところで、
ようやく何を作るか決まりました。
椅子に敷く、
小さなマットにしよう。
真四角にしたかったので、
余計なところはハサミでじょきじょき。
毛糸だったら、
きっとバラバラになってしまいますが、
今回は羊毛なので……
多分、大丈夫!
うん。
なんとかいけてそう!
これで形が整いました。
でも、もうちょっと、
もこもこにしたい。
そこで残った羊毛を小さくちぎって、
かぎ針で編み地に引っ掛けながら、表面にもこもこ感を足していきます。
もこもこ。
バランスを見ながら、好みのボリュームになるまで足していきます。
完成

椅子のマットができました。
羊毛を買ったときには、
何を作るのかも、どうやって編むのかも、
全く決まっていなかったのに。
羊毛を引っ張って、編んで、
また羊毛を足して。
気がついたら、可愛いマットが生まれていました。
いつもの編み物とはずいぶん違うけれど、
これはこれで、とても楽しかったです。
とりあえず、やってみる
今回、羊毛を買ったときから最後まで、
ずっとよく分からないままでした。
どうやって編むのかも分からない。
何ができるのかも分からない。
それでも、
「なんか面白そう」
という気持ちだけで走り出して、
どんなものが生まれるか、ワクワクしながら手を動かしました。
これが、ものづくりの楽しさなのかもしれません。
仕上がりがきれいだったら、
もちろん嬉しい。
でも、ちょっといびつでも、
あのとき、自分と冒険した思い出が残る。
それもまた、嬉しいなと思います。
そういえば、子どもの頃、
幼稚園で初めてうどんを作ったときのことを思い出しました。
そこにはなぜか、クッキー型も用意されていて。
普通に細長いうどんを作ってもいいし、
型を使って好きな形にしてもいい。
私はそれが楽しくて、
ハートのうどんを作りました。
あのうどんが、
本当においしかったのかは覚えていません。
きっと、形も厚さもバラバラだったと思います。
でも、あのときの私にとっては、
あのハートのうどんが何よりも食べたいうどんでした。
上手に作ろうとか、
正しいうどんを作ろうとか、
そんなことはきっと何も考えていなくて。
ただ作ってみたかった。
大人になった今も、
ときどき、それくらい自由でいいんじゃないかと思います。
何かを思いついても、
ちゃんとできるかな。
失敗したら嫌だな。
もっと上手になってからにしよう。
そんなことを考えているうちに、せっかく浮かんだアイデアを
自分で握りつぶしてしまうことがあります。
もちろん、
素敵なものができたら嬉しい。
でも、いつも
「いいものを作ること」だけが目的じゃなくてもいい。
思いついたアイデアに導かれて、
自分と冒険するように、ワクワクしながら手を動かす。
そんなことを繰り返しているうちに、
自分が本当に作りたいものや、
やってみたいことも、
少しずつ見えてくるのかもしれません。

結果はどうあれ、
ひらめいたアイデアを
ちょっとだけ大事に育ててみる。
忙しい毎日の中でも、
ときどき、そんな時間を持てたらいいなと思います。