パーソナリティタイプ診断ツール、MBTIとは?

   

マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インディケーター(通称MBTI)というパーソナリティタイプ診断ツールをご存知でしょうか。
カール・ユングのタイプ論に基づき、人はそれぞれ異なる選好(preference)を持っており、それが各人の行動パターンを決めるという前提のもと、人を16タイプに分類したツールです。

私たちを支配する「習慣的な行動」と脳

コロナウイルスによる自粛生活の中で立ち止まることを余儀なくされ、自分のこれまでとこれからについてじっくり考えた方も多いのではないでしょうか。

子育てがひと段落し、経験不問でできるパートの仕事を始めようと応募先を絞っていた友人は、自粛生活が始まり、その選択を考え直したと言っていました。「子どもができる前に悶々と過ごしていた、好きでもない仕事に時間を費やす毎日」に戻ることに疑問が生まれ、好きな仕事をするために新たなスキルを身に付けることを考え始めたそうです。

私が暮らすニューヨークの州知事は、「今回離れて暮らす家族に自由に会えなくなって、自分が今まで忙しさを言い訳にして家族との関係をないがしろにしてきたことを反省した」と語っていました。

「本当は変えたい、変えた方がいい」と分かりつつも繰り返してしまう習慣的な行動を、私たちは皆それぞれたくさん持っています。

「チャレンジしたい」と思うのに、リスクが目に付いて気付けばいつも安全な選択肢を取っている。
「自分にとって本当に大切なものを大事にしたい」と思うのに、仕事を片付けることを優先して機会を逸している。
「今この瞬間に全力投球したい」と思うのに、気付けば思考はいつも未来を追いかけている。
「自分のことも大切にしたい」と思うのに、気付けばいつも周りのニーズを叶えることに一生懸命になり、自分は疲れ切っている。
「たくさんのタスクをこなしたい」と思うのに、気付けば自分がそれをやる意味を考えて手が止まっている。
などなど

自分という一人の人間の中に、互いに両立し得ないようにも思える相反する二面が存在し、押し合い引き合いを繰り返しているような感覚を抱くかも知れません。
そんな自分を振り返り、自己嫌悪したり、自己啓発本を読んでみたりしますが、また気付くと同じような行動を繰り返していることも多いのではないでしょうか。

私たちの行動を決めているのは、私たちの中にある情報処理システム=脳です。
そのシステムの働き方は人それぞれ異なり、自分自身の基盤システムをマスターすることでしか、行動を本質的に変えることはできません。
つまり、自分の脳の働き方を知ることこそ、私たちが理想の自分自身に近付くカギとなると思うのです。

 

MBTI(マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インディケーター)

MBTIは、カール・ユングのタイプ論に基づき、1950年代にアメリカ人のイサベル・マイヤーズとその母が構築した、人を16タイプに分類したツールです。人は異なる選好(preference)を持っており、それがその人の行動パターンを決めるという前提に立っています。

当時第二次世界大戦下で、職歴のない女性たちが突然労働力として駆り出されることになり、その際各人の適性を測り適職をアサインする目的で使われたそうです。

現在、元UCLAの教授であるDario Nardi氏がここに脳科学を掛け合わせ、EEGを用いて各タイプが最上位の知覚機能を使った時に脳にどんな反応が現れるか等の研究を進めており、MBTIを心理学というソフトサイエンス領域からデータの裏付けのあるハードサイエンス領域に持ち込もうとしています。

日本ではまだあまり知名度が高くありませんが、アメリカでは多くの大学や企業等で導入されている、最もポピュラーなタイプ診断ツールの一つです。

個人のパーソナリティタイプは、4種の二項のうち自分の選好により近い方の頭文字を繋げて「INFP」「ESTJ」のように4文字のアルファベットで表現されます。
(Introversion/Extraversion(内向型/外向型)、iNtuition/Sensing(直観型/五感型)、Thinking/Feeling(思考型/感情型)、Judging/Perceiving(計画型/適応型))

ここまでも面白く、上記に絞って解説しているソースも多いですが、これだけの情報で自分の行動の源泉を知り、更にはそれをより良い方へと変えていくことは難しいでしょう。巷に溢れるたくさんの性格診断と同様、「たしかに当たっている気がするな」と娯楽目的で使われ、数日後には忘れ去られてしまうのが関の山です。

MBTIの真の魅力は、ここからさらに掘り下げ、人間が主に使っている8種の知覚機能の内、個人が特に頼りがち/逆に盲点となりがちな機能を明らかにし、どういった行動をとりやすい傾向かを知ることができる点です。

たとえば、「INFP」の持つ上位4つの知覚機能は、①Introverted Feeling, ②Extraverted Intuition, ③Introverted Sensing, ④Extraverted Thinkingであり、①Introverted Feelingを使っている時に特にフローを感じやすく、④Extraverted Thinkingは盲点になりやすい、という特徴があります。また、最上位の機能がIntroverted(自分の内に向いている)なため、外を向いた②Extraverted Intuitionを飛ばして、再び内を向いた③Introverted Sensingへと向かい、外の世界からのフィードバックを十分に収集せずに内の世界に閉じた情報収集・意思決定のループを繰り返してしまう傾向にあります。

何の前提知識の共有もない状態なので、上記を読んでもまだチンプンカンプンかとは思いますが…
各知覚機能の特徴、4機能の関係性などをさらに詳しく見ていくと、何度も繰り返される自分の習慣的な行動の引き金になっているものが分かり、どうすれば自分をもっとバランスの取れた状態に持っていけるのかのヒントが掴めます。

知覚機能について説明する前に、次回は自分のパーソナリティタイプを表すコードの元となる、4種類の選好(preference)についてお伝えします。

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