「生のための学校」ならではの1時間。デンマークの北の端で「心」について学ぶ。

   

こんにちは、ERIです。

今日は私の通うフォルケホイスコーレの理念や具体的な生活・授業内容について書いてみたいと思います。
(フォルケホイスコーレそれぞれ全く異なる部分なので、全体に共通する理解が得たい方は別の記事を読んでいただいた方がいいかも知れません。)

理念

前回紹介しましたが、この学校のメインテーマはconsciousnessであり、それにつながる具体的なコンテンツ(生活や授業)が用意されています。

“consciousness”をより一般的な言葉に言い換えれば”mind”になるようです。
「心と体」を“body and mind”と言いますが、その「心」に当たります。(ので、ここからconsciousnessを「心」と訳し換えたいと思います)

言うまでもなく、心と体は密につながり合っているので、「心」についての理解を深めるために、「体」にもアプローチします。

フォルケホイスコーレはよく「生のための学校」と呼ばれますが、この学校のテーマはかなりユニークではあるものの、まさに”生”というものを扱っている点では、フォルケホイスコーレの代表とも言えるかも知れません。

なお、選択科目としてヘルス(アーユルヴェーダ)とアートがあるのですが、私の理解では、ヘルスは「心と体のつながり(健康)」、アートは「心と表現のつながり(クリエイティビティ)」に焦点を当てています。

生活

「体」へのアプローチが見えやすい部分です。

睡眠、食事、デイリールーティーンに重きを置いています。
前回の記事とも重複しますが、具体的には以下のような工夫をしています。

・睡眠:22時就寝を推奨
・食事:オーガニックベジタリアン食(必要以上のエネルギーを消化に費やさないため)
・デイリールーティーン:日々の食事・睡眠時間の固定、決まった時間の瞑想やヨガの推奨


就寝時間は全然守れていないのですが…食事やデイリールーティーンのお陰か、午後の授業で眠くなることもなく、何より感情の起伏がすごく穏やかになりました。(環境の影響も大きいとは思いますが)

授業

先週はクラスの全体感を紹介するような授業が多かったのですが、今週から具体的な内容についての授業が始まりました。私自身の興味関心に面白いくらい重なっており、とてもワクワクしながら参加しています。
(深いレベルまで掘り下げると自分がまだ到達していない心の領域に達するので、理解するのがとても難しいのですが…)

学長がVedic psychologyの巨匠であることもあり、「心」について学ぶ心理学の中でも、この学校では東洋の心理学を扱っています。
学長もその他の先生も全員ヨーロッパの方なのに、不思議です。
一人の先生は、元々医者を目指して西洋医学を勉強していたものの、「悪い状態を治す(投薬を通じて体の中に不要な争いを起こす)」という考え方に違和感があり、「(日常から)より良い状態を目指す」という考え方をする深淵な東洋医学(アーユルヴェーダ)に転向したようです。

ヴェーディック心理学の正確な日本語訳を把握していないのですが、アーユルヴェーダと語源を同じくしていることから分かる通り、古代インドの知恵を基盤とする心理学なのだと思います。

西洋の心理学が自然真理を実験や分析を通じて解き明かして個々人に当てはめているのに対し、ヴェーディック心理学では自分自身を起点とし、それを進化させた先に抽象的な真実を見出すようです。(私の理解が正しければ)

私たちが自分のことを理解するのには、「行動する」と「内に旅をする」の二通りがあるようですが、西洋の心理学が「行動する」ことで進化したのに対し、ヴェーディック心理学は「内に旅をする」ことで深められたのだと言えるかも知れません。

もう少し具体的に言うと、ヴェーディック心理学では、「心」を形作る複数のレイヤーを捉え、それが互いにどんな結びつき方をしているのか、脳の働きにどんな影響を与えるのかなどを学ぶことで、生というものに対する理解を深めます。

「心」というのは、外に見せている自分(individuality)から始まり、掘り下げていくと最も内にある自分(universal self)に至るそうです。

表現からも分かる通り、外側の自分は一人一人異なるものの、内なる自分には人間同士共通するところが多いようです。

そして、「心」の状態をより深めて、selfに近づけば近づくほど、内なる声に声を傾けて行動をとり、結果幸せな状態に近づくことができるとしています。

「心」のレイヤーには、thought(思考)、intellect(知性)、emotion(感情)、intuition(直観)があります。

先にあるものほど知覚しやすく、後に進むに従いその声は小さくなるので、知覚しにくくなります。特にintuition(直観)は、しばらく耳を傾けないでいると、そのうち消え失せてしまうようです…。

個人的に意外だったのが、人間は快を求める生き物なので、本来は快に直結するemotion(感情)が「心」の動きを支配するドライバーとなるということ。

私自身もそうだったのですが、忙しい毎日を生きていると、感情よりもthought(思考)やintellect(知性)に左右されている感覚になりませんか?

ちょっとした驚きですが、通常私たちの決断はemotion(感情)によってなされるということです。intellect(知性)がコントローラーになることももちろんありますが、始まりは感情だそうです。

なお、上記の決断時の「心」の動きにも見られる通り、この4段階は互いに結びついて補い合っています。

ですが、現代人がさらされている「ストレス」が溜まると、それがこの4つの段階の間に入りこんでつながりを分断し、互いにスムーズに補い合うことを邪魔し始めるそうです。

そして、結果的に4段階がバラバラのことを訴え始め、さらにはemotion(感情)やintuition(直観)が知覚できなくなり、あたかもthought(思考)やintellect(知性)に支配されているような状態、つまり自分で自分の「こうしたい」「こんな状態を目指したい」といった内なる声を聞き取ることができない状態に至るのでしょう。


これは、自分自身の「心」の要素間の話ですが、自分自身をどう捉えるかは、自分が周りや世界をどう捉えるかに密に関わります。
自分の「心」の状態がどう外との関係に影響するかについて、次回以降学ぶことになりそうです。

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